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23. そもそもお墓文化は誰が作っていつ始まったのですか。
死者を埋葬して供養することは、約50~3万年前のネアンデルタール人にその起源はあるようです。人骨と一緒に花を埋めていた痕跡が見つかっているそうです。また、お墓として供養を行う起源としては、お釈迦様が亡くなる前に「私の鎖骨は、火葬にしてストゥーパ(塔)を作り、花や香をあげ 礼拝すれば、功徳がある」と言われました。この卒塔婆(そとうば)供養がお墓の供養の 始まりと『法華経』にあります。
43. お墓とお仏壇の意味の違いは何ですか。
お参りする対象の違いとお参りされる対象の違いです。
本来「お仏壇」とは「仏様」をお祀りするところであり、遺骨を納めるところではありません。ここまではどなたでもご理解いただけると思います。
しかし、この「仏様」とは「亡くなられた方」ではなく「釈迦如来」や「大日如来」「阿弥陀如来」が中心となります。そのため、お仏壇の中心は「○○家」ではなく、「ご本尊」が必ずかけられています。神棚を考えていただければわかると思いますが、神棚は「神様」を中心に、お仏壇のお参りの中心は「如来」になります。それに対しお墓は「亡くなられた方」が中心になります。ですので石塔には「○○家之墓」となります。もちろん正面に「南無阿弥陀仏」と彫る地域もあります。またお仏壇にもお位牌を置く為、ご先祖をお祀りすることも大切なことです。
そもそもお寺(こちらももちろん「ご本尊」がお祀りされています)も、お釈迦様のご遺骨があるといわれている五重塔などがあるため、お寺やお仏壇、お墓の意味(役割)はそれぞれ重なり合いながら、ゆるやかに役割が変化しています。お寺にもお墓の意味を持っているものもありますし、お墓も本尊をまつってあります。
どなたを想像しやすいかによって、役割を考えていただいたらいいかと思います。
またお参りされる方(こちら側)の対象の違いはというと、お仏壇はその家の方がお参りする中心になり、あまり友人や上司の仏壇におまいりするとなると、家人の許可もいる為、やはりお墓が必要になります。親戚友人の方が「亡くなられた方」にお会いしに行くために「お墓」はいつでもお参りできるように「外」にあります。また、遺骨を納められるというのもお墓の大切な役割になります。そして、お墓に刻まれた「名前」をみて、亡くなられた方にいつでもお会いできる。それが血縁にとらわれず、友人・恩師・お世話になった方などにいつでも会いに行ける、イメージできる場所というのが、お墓の大切な役割ではないでしょうか。
(下記にお墓やお寺の役割を一覧にしてみましたのでご参考ください)
52. 北方と南方の墓石の違いの起源
北海道はどちらかと言うと個性あるお墓が好まれる傾向にあり、お墓らしいものよりも比較的新しいデザインのものが選ばれています。また、墓地や霊園が広く、それに見合った比較的大きなお墓が建ち並んでいるのが特徴です。
南の鹿児島では、桜島の火山灰が酷い地域では 屋根付きのお墓が良く見られます。墓地や霊園でよくみられるタイプのお墓は、一般的な和型ではなく大名型や蓮華台型、そして神道型です。そして、どれも大きく豪華なものが多いです。また、納骨堂一体型が主流となっているのが特徴です。自然豊かな鹿児島だからこその広大な墓地や霊園があり、そこには鹿児島ならではのお墓が建てられています。
沖縄のお墓は、家並みの大きさがあります。沖縄ではその昔、火葬でも土葬でもなく「風葬」の風習がありました。遺体をそのまま安置して、自然に戻る方法であったため、その周りに石を積み上げて室にしたのです。
56. お墓の建立と納骨を同時に行う場合は、お祝い事?仏事?
仏事の側面が大きいと言えるでしょう。本来、お墓の建立はお祝い事として、めでたいこととされております。しかし、ご納骨を伴う場合は、大切な方を亡くされておられるご家族様にとっては、悲しいことなので、故人様をご供養されるお気持ちの方が大きいので、仏事の側面が大きいと言えるでしょう。
59. 四十九日には納骨しなければいけませんか
お気持ちが落ち着きましたらご納骨されてはいかがでしょうか。49日でなくても、百か日、一周忌、三回忌などの節目か春や秋の気候が穏やかで遠方からも集まりやすい日が多いようです。
66. 何でお墓が必要なの
今まで身近で一緒に暮らしてきた人が突然いなくなってしまったら、悲しく思いますよね。
葬儀を済ませ火葬された遺骨をどうされますか?
悲しいからそのまま家において置く?
でも、そのままにしておいて、もし自分に何かが起こったら残された家族がその遺骨をどうするのかもっと困りますよね。ですのでいずれは遺骨をどうにかしなければなりませんよね。
ではどうしますか?
散骨ですか?
これっきりさようならすることになりますよ。思い出だけ心に留めておいてその人と決別をするお気持ちならそれでもよいかもしれません。でもあなたはまだ生き続けるのです。
人間生きていく中できっと、困ったり・悩んだりすることが起きます。そういうときは相談できる身近な人に話してアドバイスをもらったりすることもあるでしょう。でも、必ずしも生きている方だけが相談に乗ってくれるわけではないです。大切なあの人の遺骨を納めたお墓に行ってみてください。できれば一人で、それもまわりに人が少ないときの方がいいです。そして生前のその人を思い出しながら悩みや相談事を話してみてください。誰も回答を返してはこないのに、意外とすんなり答えが出ることがあります。答えが出なくても自分の気持ちが固まることがあります。結局は、自分ひとりで決断しているのですが。お墓にはそういった効果があります。その人の前では素直に話せるからかもしれません。お墓は、安らいだり、元気が出たり、勇気が湧いたり、優しい気持ちになれたりする不思議な効果がある自分だけの場所なんです。
一般にいう「パワースポット」は人々に力を与える不思議な場所ですが、お墓はあなたや身近な方にだけ力を与える「マイパワースポット」なのです。
67. お墓を建てる時期は
特に決まりはございません。
ご自身がお墓をお考えになられた時がお墓をお建てになる最良の時期と言えるでしょう。
例えば、当苑でご相談を頂く例で申し上げますと、一周忌・三回忌など法要に合わせてご納骨をお考えの方なら、法要までに間に合うようにお墓をお建てになられます。また、近年では、お墓の改葬や生前建墓をお考えになられる方が大変多くなってきております。その方々は思い立ったその時期にお墓をお建てになられることが多いです。
68. なぜお墓ってあるの?
お墓と聞いて一番最初に思いつくのはご先祖様のご供養ですが、私たちが実際に霊苑で働いていて感じるのは、家族の集まる場所です。
「お盆やお正月に実家へ帰って家族が集まる」事は良くあると思いますが、もしお父様・お母様がお亡くなりになって実家かなくなったら、どこに集まるでしょう。
「お盆やお正月に帰ってきてお墓に集まる」です。
お墓が無ければ兄弟・姉妹・親戚がどんどん疎遠になって行くと思いますが、お墓がある事で、家族の縁をつないでいるのだと思います。
お墓をお持ちでない方から、お墓は必要ないと言うお話をお伺いしたことがありますが、お墓を所有されている皆様からその様なお話を、お聞きする事はありません。
ご家族皆様でお参りされ、皆様が和やかに昔の話や近況のお話をされる場所を所有し、心のゆとりを子供たちに伝える場所だと確信しています。
69. 死んだらお墓に入れないとダメなの?
決してダメではございません。ただ、お骨をお手元に置いておかれるお気持ちがお済みになれば、お墓にご納骨してあげるといいでしょう。そして、ご家族様でお墓参りをされて、大切な故人様をご供養されることが何よりです。
74. どこの国も家族で(代々)でお墓を使うのか?
国によって、埋葬方法によってかわります。
例えば西洋などでは土葬が一般的ですので個人のお墓が一般的になります。
また、中国では夫婦のお墓が多い様です。
本来日本でも個人のお墓が主流でした。現在の家族墓は割と近代になります。それはどの家庭でも「花崗岩」にて石塔が作れるようになった為と、江戸に家制度が一般化したことも理由の一つと考えられます。それまでは土葬も盛んでしたし、石も近代ほど長持ちしなかったためほとんどが個人墓でした。技術の進化もさることながら、栄えている家は先祖を大事にしていることなどから、現代の家墓が主流になったと考えられます。